ものづくりにおけるコストの削減とは?

注意点や具体例をご紹介!

ものづくりにおけるコスト削減は、すべての企業で重要な経営課題です。しかし、ものづくりで行うコスト削減は、オフィス等でおこなわれるそれとは異なります。一時的なものではなく、長期的に利益となるような方法で削減を行えるよう、ものづくりにおけるコスト削減についてご紹介します。

  • 1. ものづくりのコスト削減とは?

    まずは、コスト削減の基礎知識について説明します。

    1-1. コストの発生はいつ決定する?

    コストが実際に発生するのはものづくりを行う「製造」の時点ですが、どれほどのコストが発生するのかが決まるのは、モノの「企画、設計」の段階です。実際は、製造よりも前の時点でコストの発生の多くが決まってしまうと言われており、それ以降のコスト削減は、「企画、設計」の段階よりは削減の余地が少ないと言われています。つまり、大幅なコストの削減を行うには、「企画、設計」が決まるより以前の時点で、知識を集めてコスト削減の方法を検討しなければなりません。

  • 2. 削減しやすいコストとは

    「企画、設計」とは別に、日ごろのものづくりにおいて発生するコストの中にも、削減可能なコストは色々あります。とくに削減のしやすいコストは、モノの製造には直接関係しないコストです。逆に、モノの品質を維持する部分、運営上必要不可欠な費用については、コスト削減が難しいと言えます。削減しやすいコスト
    とは、たとえば、以下のようなコストが考えられます。

    2-1. 光熱費

    光熱費の中でも、とくに効果を得られやすいのは電気代です。昨今話題となっている電気代の高騰ですが、照明を使用しない時はこまめに電源を切ること、LED照明に変える等を検討しましょう。電気を使う量が多く想定されるものづくりにおいて、電気の使用ルールの見なおしは大きな効果を発揮する可能性が高いでしょう。

    2-2. 消耗品

    マスクや梱包材、清掃道具等の消耗品は、それぞれを可能な限り安価なものにすることで、ある程度の削減効果が見込めます。

    2-3. 通信費

    インターネットの回線や社用携帯の維持費などは、使用実態に応じてプランの見直しを行い、運搬費や郵送料等のコストも、できる限り削減できるよう検討してみましょう。

  • 3. ものづくりにおけるコスト削減の注意すべき点

    では次に、コスト削減を検討する際の注意点をご紹介します。

    3-1. 必要な投資は削減しない

    「企画、設計」の段階で精査している事も考慮し、モノの品質や生産性を高める部分など、直接的に関わる費用は必要な投資として、削減の対象から外すようにしましょう。たとえば原材料をより安価なものに変えると、品質の低下を引き起こす恐れがあります。また設備投資費用や研究開発費用、広告宣伝費用などの削減は、一時的に削減効果を実感できるかもしれませんが、長い目でみるとマイナスとなってしまう可能性もあります。

    3-2. コストの削減において、かなり背伸びした目標や無理な決まり事を作らない

    コストの削減は、厳しくしすぎてしまうと息切れしてしまう可能性があります。従業員に大きなプレッシャーを与えてしまうと、モチベーションの低下や健康状態にも悪い影響が出てしまうことも考えられます。

  • 4. コスト削減の効果を高めるには?

    どのようにしたら、より効率的にコスト削減を行えるのでしょうか?

    4-1. 協力体制づくりに尽力する

    コスト削減で高い効果を得るためには、ものづくりに関わる全ての人の協力が必要です。「コスト削減を行う必要性や背景」「コストを削減し得られるメリット」等を説明し、理解してもらうことが大切です。

    4-2. 職場の環境を整える

    日ごろから、道具の収納場所を決めておく等の整理整頓、清掃によって、ものづくりの環境を意識的に整えておくことが大切です。整った環境作りによって、余計なコストの発生を防ぎ、無駄な時間を省くことによって生産性や作業効率が高まるでしょう。

  • 5. ものづくりにおけるコスト削減の具体的な方法

    最後に、ものづくりにおけるコスト削減の具体策をご紹介しましょう。

    5-1. 無駄の解消で作業の効率を高める

    ・マニュアルを作成、適宜更新する
    ・材料や工具の置き場が作業する場所と離れている場合、取りに行く手間と時間を減らすため、置き場を再検討する
    ・数種類の部品や工具が同じ場所に置かれている場合、探す時間を省くためにひとつ一つ区別する

    さまざまな工具や部品が必要になることも多いものづくりにおいて、こういった改善を行うことは、作業効率を高めるだけでなく、ミスや事故を防ぐことにもつながります。しかしこういった細かな改善点は、管理側からは見つけにくく、作業する人の日々の気づきによって改善が可能となることも多いでしょう。ほんの少しの改善でも、積み重なると非常に大きな効果を生み出せるのです。

  • 6. まとめ

    コストの発生は、「企画、設計」の段階から、実際のものづくりの現場に至るまで、あらゆる点で行えるチャンスがあります。自分では気が付けなかった部分も、別の人物を通すとすぐに発見、見直しできることが多々あるかもしれません。モノづくりにおけるコストの削減に悩んでいる方は、「株式会社ファブナック」にお任せください。コストダウンなどを含めてさまざまなご提案をさせていただきます。