コラム
2023年10月06日

新規製品開発の難しさ:深堀した視点で

新規の製品開発は、ものづくりをする組織や企業が持つ中心的な課題の一つとなっています。成功すれば大きな収益や市場シェアの獲得につながりますが、反対に成功しなければ多大なリソースの損失となりかねません。新規製品開発の難しさに関する要因をいくつか詳しく解説します。少し違う視点でも記事にしたいと思います。

市場ニーズの予測

新しい製品を開発する際、最も重要なのは市場のニーズを的確に予測することです。過去の成功例や失敗例から学ぶことも大切ですが、未来の消費者行動を予測することは非常に困難です。時には、市場調査に多額の資金を投じたとしても、実際の市場の反応が予測と異なることがあります。

技術的課題

新規製品を開発する際、独自の技術やイノベーションを経営陣が求めることが多いです。これには、既存の技術の限界を超えるためのリサーチや、新しい技術の実装が伴います。これらの技術的課題を克服するためには、専門知識や経験が不可欠ですが、アイデアの斬新さも必要になります。

また、ものづくりにはじめて取り組む組織や企業では、EMS(生産工場)の選定、必要な法令順守や認証規格取得も重要な課題となります。開発が終わった段階で、どのように作るか、そもそも売って良いものなのか、を検討するのでは遅く、初期の段階から調査・検討をはじめておく必要があります。

資源の確保

新規製品の開発には、人的資源、金融資源、時間などの多くのリソースが必要となります。これらの資源を効率的に確保し、最適な方法で活用することは、開発の成功を左右する重要な要因となります。

人的資源でいえば、社外リソースを使うことが手っ取り早く効率的ですが、注意しなければならないのはキーとなる部分は多少無理をしてでも社内リソースとして確保しておくべきだと言うことです。開発資産を社内に残しておきたいこと、また時間が経ってから製品に手直し必要になった場合にスムーズに事が運ばない可能性を排除するためです。

金融資源については補助金を利用すると言う手が考えられますが、個人的には手続きの面倒さや採択率の低さから、あまり前向きには考えていません。また、補助金を利用した製品開発は、私の知る限りですが、金銭面の甘えからか大きく伸びたと言うことあまり聞きません。製品開発までは終わりますが、あまり売れない、と言うことを良く聞きます (あくまで私の知る範囲です)。

時間については、別のコラムでも掲載していますが、試作回数を減らした社内PRで開発することも1つの手になります。

競合との差別化

多くの市場では、競合他社も似たような製品やサービスを提供していることがあります。このような環境では、新規製品が成功するためには、競合との明確な差別化が必要となります。しかし、これは容易なことではありません。逆に考えると、売れている競合製品がすでにあるのであれば、市場としてニーズがあることになります。その製品にプラスアルファの機能を付加する、競合よりも安価にする、などの工夫である程度の市場は確保出来ると考えられます。

タイミング,マーケティングとプロモーション

新規製品の成功は、リリースするタイミングにも左右されます。市場のトレンドや消費者のニーズが変わる中で、最適なタイミングを見極めることは非常に難しい課題です。新規製品開発のスタート段階で、市場投入時期を定め、適切なプロモーション始めておくことが重要だと考えます。

また、製品が優れていても、適切なマーケティングやプロモーションが行われなければ、成功することは困難です。効果的な広告戦略や販売チャネルの選定は、新規製品の成功において不可欠です。

最後に

新規製品の開発は、多くの課題や困難に直面するプロセスです。しかしながら、これらの課題を乗り越え、成功することで、企業や組織は大きな収益を上げることができます。絶えず変化する市場環境の中で、適切な戦略や資源の活用、時には勇気や直感も必要とされます。新規製品の開発を成功させることが、組織の持続的な成長の鍵となります。