コラム
2023年12月20日

雷サージ試験:電気機器の安全性と信頼性を確保するための指標

雷サージによる電気機器の損傷は、通信業界などで常に重要な課題です。最近、落雷によって機器が損傷し、ネットワークが止まってしまう、いわゆるサスペンドしてしまう問題に関する相談を受けました。これに対処するための第一歩は、雷サージ試験を実施することです。この試験は、電気機器やシステムが雷による電気的サージにどれだけ耐えることができるかを評価するものです。この記事では、雷サージ試験の重要性とその概要について詳しく解説します。

 

雷サージ試験の重要性

雷サージ試験は、特に電気通信設備、コンピュータシステム、その他の電子機器にとって極めて重要です。雷サージは、機器に深刻な損傷を与え、データ損失や機能障害を引き起こす可能性があります。この試験は、電気機器の安全性と信頼性を保証するために不可欠です。

 

雷サージ試験の概要

雷サージ試験は、特定の規格に基づいて実施されます。日本では、国際電気標準会議(IEC)のIEC 61000-4-5規格に準拠した試験が一般的です。この規格は、様々な電気機器やシステムに対する雷サージの影響を評価するための基準を定めています。試験には、14レベルのレベル設定があり、サージ電圧レベルはレベルによって異なります。たとえば、レベル2の場合は、線と地(GND)間で1kVのサージ電圧が基準となります。

詳しくは下記のような試験サイトを参照してください。

https://www.oeg.co.jp/emc/sarji.html

 

実施に試験をするサイト

雷サージ試験は、専門の試験機関や認定された試験施設で行うことができます。試験は特殊な機器と技術的な専門知識を必要とするため、試験機関の助言をもとに実施するのが望ましいです。また、費用を抑えつつ、一定の知識を有している場合は、各都道府県の産業技術研究センターを利用することも可能です。施設によりますが、設備を有しているセンターは多いと思います。

 

今後の対策

雷サージ試験を通じて、製品が厳しい電気的環境下でも機能を維持できることを保証することができます。適切な試験方法と厳格な基準への準拠により、メーカーは自信を持って市場に製品を提供できます。また、雷サージ試験を基にして、対策部品の選定や効果の検証を行うことが重要です。これについては、別の機会に詳しく解説したいと思います。