コラム
2023年04月25日

EMS(生産委託工場)の選定

EMSとはエレクトロ二クス・マニュファクチャリング・サービスの略で、電子機器や部品の製造・組立・検査・出荷などの一連の製造プロセスを代行してくれるサービスです。ものづくりの際、自社で工場でお持ちでない企業の多くが利用しているサービスになります。簡単に言うと、ものづくりの製造以降を委託する工場がそれにあたります。

EMSパートナーを選定する際には、様々な要素を考慮する必要があります。本コラムでは、EMSパートナーを選定する上での5つのポイントに焦点を当てて、どのように評価すべきかを解説していきます。

生産の規模が製品に合っているか
EMSパートナーを選ぶ際、まず確認すべき点は、生産規模が製品と適合しているかです。自社の製品の需要に応じて、適切な規模を持つEMSパートナーを選定することが重要です。小規模な製品であれば、小回りのきくEMSパートナーが望ましいですし、大規模な製品であれば、安定した供給力を持つ大手EMSパートナーが適切となります。また製造する製品によっても得手不得手がありますので、そこも考慮して幾つかのEMS先を比較することが重要になります。

小回りが利くか
市場環境や変化に素早く対応できるEMSパートナーは、競争力のある製品を提供する上で非常に重要です。製造工程も製造しながら最良の方法を見つけていくなど、柔軟な対応が求められる場合がありますので、小回りの利くEMSパートナーを選ぶことが鍵となります。

部品の手配を代行できるか
部品調達は、生産効率やコスト面で大きな影響を与える要素です。EMSパートナーに部品調達を代行させることで、自社の手間を軽減し、より効率的な生産体制を構築できます。そのため、部品の手配を代行できるEMSパートナーを選定することが重要です。ある程度の費用枠の中で、部品在庫を持ってもらえるとより良いです。

生産上の不具合があった時すぐに対応できるか
生産過程での不具合やトラブルは、どんな企業でも避けられません。問題が発生した際に、素早く適切な対応ができるEMSパートナーが望ましいです。これには、距離が近いことや、十分な知識・経験を持っていることが求められます。地理的に近いEMSパートナーを選ぶことで、迅速な対応やコミュニケーションが可能になります。また、技術力や経験が豊富なEMSパートナーは、問題解決において迅速で適切なアドバイスやサポートが期待できます。

品質の担保
最後に、品質の担保が重要なポイントです。EMSパートナーが提供する製品の品質は、自社製品の評価に直結するため、高い品質を維持することが求められます。品質管理体制や認証を有しているEMSパートナーを選ぶことで、安心して製品を委託することができます。

 

 EMSパートナー選定においては、生産規模や小回りの利き、部品調達の代行、生産上のトラブルへの対応力、品質の担保など、様々な要素を総合的に評価することが大切です。これらのポイントを押さえた上で、自社のニーズに最適なEMSパートナーを選ぶことで、効率的で品質の高い製品を市場に提供し、競争力を高めることができます。