コラム
2023年06月19日

リチウムイオンバッテリー – 小型電子機器の革命とその注意点

世界がデジタル化し、私たちの日常生活はさまざまな電子機器で満たされています。スマートフォン、タブレット、ラップトップなど、私たちの周りには数え切れないほどのデバイスがあります。その一方で、私たちがこれらの機器を使い続けるためには、信頼性の高いエネルギー供給源が必要です。ここで重要な役割を果たしているのがリチウムイオンバッテリーです。

リチウムイオンバッテリーは、その名の通り、リチウムイオンを動かすことでエネルギーを蓄積・放出するタイプのバッテリーです(細かい構造などはここでは割愛します)。特に最近の小さな機器では、そのコンパクトさと高いエネルギー密度を活かして、リチウムイオン充電池が主流となっています。その代表例としてスマートフォンが挙げられます。

さらに、リチウムイオンバッテリーの魅力は、その充電の手軽さにあります。専用の充電回路を簡単に作ることができ、USB接続を通じてどこでも手軽に充電できるため、小型機器の電源選択として理想的です。

しかしながら、このようなメリットがある一方で、リチウムイオンバッテリーの使用には注意が必要です。過充電や過放電、高温・低温環境下での使用、強い衝撃などはバッテリーのパフォーマンスを低下させ、場合によっては破裂や発火の危険性もあります。これらのリスクを最小限に抑えるためには、使用者自身が適切な管理と使い方を心掛けることが不可欠です。

また、バッテリー製品に関する法規制も重要なポイントとなります。特に日本では、電気用品安全法(PSE法)に基づき、一定の電力を持つ電気製品は安全性確認を受ける必要があります。リチウムイオンバッテリーも例外ではなく、その製品によってはPSEマークの取得が必要となります。しかし、サイズや形状、電圧や電流などの規定によっては、PSEマークの取得が不要なものもあります。安全性を確保するためにも、製品選択時には必ず製造元が提供する情報を確認し、適切なバッテリーを選ぶことが重要です。

安価な海外製品が多く出回っていますが、製品として使用する上では正規の販売ルートのものを購入することが必須になります。

リチウムイオンバッテリーのメリットとデメリットを詳しく見てみましょう。先ほど述べたように、最大のメリットは高いエネルギー密度と充電の利便性です。これらはリチウムイオンバッテリーが小型電子機器に広く採用されている理由となっています。また、自己放電率が低く、長期間の保存に適している点も大きな利点です。自己放電とは、バッテリーが使用されていない状態でも時間とともにエネルギーが減少してしまう現象を指します。リチウムイオンバッテリーはこの自己放電率が低いため、長期間使用しない状態でもそのパフォーマンスを保つことができます。

一方、デメリットとしては、上述のような取り扱いの注意点が挙げられます。また、寿命が比較的短く、数年で劣化が始まり、性能が下がる点も問題点となっています。さらに、リチウムイオンバッテリーは現時点では他の一部のバッテリータイプに比べてコストが高いという点も挙げられます。
しかし、これらのデメリットを考えるときには、それがバッテリーの全体的なパフォーマンスと比較してどの程度の影響を及ぼすかを考慮することが重要です。その上でリチウムイオンバッテリーは現在、その性能と利便性から見て、多くの電子機器の最適な選択肢となっています。

リチウムイオンバッテリーは私たちのデジタルライフスタイルを支える中心的な役割を果たしています。その性能と利便性、そして注意点を理解して、最適な使い方を見つけることで、私たちの生活はさらに便利で快適になるでしょう。