コラム
2023年04月14日

民生向けと産業向け

同じような製品でも、民生機器と産業機器があることをご存じでしょうか。
民生機器と産業機器は、用途や機能、設計、製造、認証などにおいて大きな違いがあります。
それらの違いについて簡単に説明します。

まず、民生機器とは、一般消費者が日常的に利用する製品を指します。例えば、家電製品やスマートフォン、パソコン、車、自転車、家具などが挙げられます。これらの製品は、多くが個人の所有物であり、主に自宅やオフィス、学校、公共施設などで使用されます。

一方、産業機器とは、製造業や建設業、農業、医療などの産業分野で使用される機器を指します。例えば、工場の生産ライン、建設現場の重機、農業機械、医療機器などが挙げられます。これらの機器は、業務用のため、生産性や効率性、信頼性を高めることを目的として設計・製造されます。

 

民生機器と産業機器の設計や製造にも違いがあります。

民生機器は、個人が使用するために設計されているため、デザインや機能、価格などが重視されます。一方、産業機器は、厳しい環境下で使用されることが多いため、耐久性や安全性、信頼性が求められます。
製品のライフタイムも大きく異なり、民生機器はトレンドの変わりが激しいため、ライフタイムにそこまで厳しくはありません。それに比べて産業機器は、民生機器に比べて長い期間機器を使用することが多いため、ライフタイムや製造期間も長めに考慮されてることが多いです。

認証に関しても、民生機器と産業機器では異なる要件があります。民生機器は、安全性や電波障害の規制などが求められるため、国際的な認証機関であるFCCやCE、PSEなどの認証が必要です。一方、産業機器は、民生機器と同じ認証が必要なことはもちろん、安全性や品質などが求められるため、ISOやULなどの認証が必要とされることが多くなります。

以上のように、民生機器と産業機器には大きな違いがあります。消費者が使用する製品と、業務で使用する製品では、設計や製造、認証などの要件も異なります。消費者が求める機能性やデザイン性、価格面などに重点を置く民生機器に対して、産業機器は耐久性や信頼性、安全性などが求められます。